Tehran carpet bazaar

店主が語る、四十年の絨毯買い付けストーリー——職人との出会いが教えてくれたこと

店主が語る、四十年の絨毯買い付けストーリー——職人との出会いが教えてくれたこと

ペルシャ絨毯や手織りラグをご紹介するとき、私たちはよく「産地」や「文様」についてお話ししてきました。でも今回は少し視点を変えて、私たち自身が絨毯とどう向き合ってきたのか、そのお話をさせてください。

私たちデコールワークスは、東京・五反田を拠点とするペルシャ絨毯専門店です。店頭でお客様とお話ししていると、「なぜこの価格でこの品質の絨毯が手に入るのか」と聞かれることがあります。その答えは、私たちがどのように絨毯を買い付けてきたか、その歴史の中にあります。

1985年、絨毯卸売業としての始まり

デコールワークスは1985年、手織りラグとペルシャ絨毯の卸売業として産声を上げました。イランはもちろん、アフガニスタン、パキスタン——それぞれの国で作られる上質な絨毯を、日本の皆様にお届けしたい。それが創業からずっと変わらない私たちの想いです。

3か国それぞれの製造元と直接、しかもまとまった量で取引をすることで、良好な関係を築きながら、日本でも納得のいく価格で絨毯をお届けできる。これが創業当初から私たちが大切にしてきた強みです。

日本の住空間に合わせるという挑戦

創業者である父が、まず取り組んだのが「サイズ」の壁でした。イランやアフガニスタン、パキスタンで織られる絨毯は、当時、日本の住宅事情に合うサイズがほとんど存在しませんでした。海外の住宅と日本の部屋とでは、そもそもの寸法感覚が違うのです。

そこで父は、自ら製造に乗り出すという決断をしました。日本の部屋に合うサイズの絨毯を、現地の職人たちと一緒に作り出す。今でこそ当たり前に思えるかもしれませんが、当時としては簡単なことではなかったはずです。この挑戦があったからこそ、今の私たちがあります。

現地に行くからこそ見えるもの

絨毯の買い付けというと、単に「良い商品を仕入れる」ことだと思われがちですが、実際に現地に足を運ぶと、それだけではないことに気づかされます。

一枚の絨毯の向こうには、それを織り上げた職人の手間と想いがあります。特に、絨毯作りを支えているのは多くの場合、女性たちです。彼女たちの丁寧な仕事ぶりを目の当たりにするたびに、その手仕事への敬意を新たにします。私たちが仕入れをするということは、間接的にではありますが、こうした職人の方々、特に女性たちの仕事を支えることにもつながっているのだと感じています。

現地を訪れるからこそ出会える、市場ではまだ誰も見たことのない一点物の絨毯もあります。そして訪れる国や街が変われば、織り方も、伝統も、まったく違う顔を見せてくれます。イランの中でも産地ごとに文様が異なるように、アフガニスタンやパキスタンにもそれぞれの土地に根付いた技法があります。何十年この仕事を続けていても、行くたびに新しい発見があり、学ぶことは尽きません。

何を基準に絨毯を選ぶのか

現地の市場に足を踏み入れると、正直なところ、状態の良くない絨毯を売ろうとする業者も少なくありません。だからこそ私たちは、長年の経験の中で培ってきた自分たちなりの品質基準を大切にしています。

まず考えるのは、やはり日本の住空間に合うサイズかどうか。そのうえで、品質と価格のバランスが取れているかどうかを見極めます。私たちが目指しているのは、他にはない一点物の高級な絨毯だけをお届けすることではありません。手が届きやすい価格帯の良質な絨毯も含めて、さまざまなお客様に合った一枚をご用意すること。長くお付き合いいただけるお客様との関係を何より大切にしているからこそ、この両方の視点を持ち続けています。

直接仕入れが生む信頼と価格

私たちは、イラン・アフガニスタン・パキスタンへ何度も足を運び、現地の職人たちからまとまった量を直接買い付けています。仲介業者を挟まないことで余分なコストを省き、本物の高品質な絨毯を、無理のない価格でお届けできる——これは、40年近くこの仕事を続けてきたからこそ築けた仕組みです。

長い年月をかけて、信頼できる作り手の方々との関係を少しずつ積み重ねてきました。この積み重ねがあるからこそ、今も変わらず質の良い絨毯をご紹介し続けることができています。

一枚の絨毯に込められた物語

デコールワークスでご紹介している絨毯は、単なる商品ではありません。その一枚一枚に、織り手の手間と時間、そして私たちが現地で重ねてきた関係の歴史が織り込まれています。

五反田のペルシャ絨毯専門店デコールワークスの店舗、そしてオンラインストアでご覧いただける絨毯たちには、そうした物語があることを、少しでも感じていただけたら嬉しいです。ぜひ一度、実際に手に取ってその背景に思いを馳せてみてください。

Back to blog